キャンプでアイデア発見!酒熟成キット#酒ハック開発秘話②
公開日:2024年1月22日
開発初期、スギやヒノキをくり抜いて酒熟成ボトルを作るという挑戦をしていた私たち。
素材の高価さや加工の難しさ、耐久性など多くの課題にぶつかり、プロジェクトは行き詰まりを見せていました。
頭を冷やすため、思い切ってキャンプへ。
山奥で焚火を囲みながら飲んだウイスキーの一杯が、酒ハックの核心となるアイデアを生み出しました。
焚火から生まれた“逆転の発想”
落ちていた枝を集めて火を焚いていた時、ある流木から驚くほど心地よい香りが立ちのぼりました。
その香りを感じながらウイスキーを一口含むと、まるでその木の香りとお酒がマリアージュするような絶妙な調和を感じたのです。
「木は焦がした方がお酒に合うかもしれない」
ふと思い出したのは、ウイスキー樽の内側を焦がして香りと風味を加える“チャーリング”という工程でした。
さらに、「木でボトルを作る」のではなく「お酒の中に木を漬け込む」ことで、より手軽で安定した熟成が実現できるのでは?という気づきが生まれたのです。
素材へのこだわりと開発への覚悟
静岡県は林業や家具製造が盛んで、全国から高品質な銘木が集まる地域です。
その一方で、ほんの少しの色味の違いやサイズ調整のために、高級な端材が多く廃棄されている現実もあります。
「この余材を活かして、酒好きが喜ぶプロダクトができたら」
木工所や材木商の協力を仰ぎながら、香りの良い木を20種以上収集し、焼き加減や漬ける時間、樹種とお酒の組み合わせを変えながら、何百回もの試飲テストを繰り返しました。
中には、木単体では良い香りなのに、お酒に入れると“地獄の味”に変化してしまうものも(笑)
ソムリエやバーテンダー、酒好きの友人のアドバイスも取り入れながら、最終的に7種類の銘木に絞り込みました。
お酒に詳しくなくても、気軽に楽しめる熟成体験を
市場には、木の香りをお酒に移す類似商品がすでに存在していました。
しかし、それらは長期間の漬け込みが必要だったり、容器から漏れやすかったりと課題も多く残っていました。
そこで酒ハックでは、熟成効果を短時間で感じられるよう「焼き」の工程を強化し、
中身が漏れないようにガラス製の専用ボトルを採用。
透明なボトルは見た目も美しく、熟成の変化を目で楽しめ、ギフトとしても喜ばれる仕上がりを目指しました。
手探りから生まれた“自宅で体験できる樽熟成”
初期に製作した試作品は銘木のサイズや焼き加減を一本一本手作業で調整していたため、形も不揃いで、まさに試行錯誤の連続でした。
ですが、何度も失敗と改良を重ねたことで、現在の酒ハック基本セットへとつながりました。
ただの“木と瓶のセット”ではなく、「お酒をもっと美味しく、もっと自由に楽しめる」体験を提供するプロダクトになったと自負しています。
ぜひ、あなたのお気に入りのお酒を、酒ハックとともに
“自分だけの熟成酒”に育ててみてください。